響いたこと日記

心に響いたことをとりあえず書いていきます

100×13の僕の感動

1300円。
これが今日僕が人生で初めてサラリー以外で頂いたお金だ。
27歳にして1300円ではしゃぐのは恥ずかしい話だけど、本当に死ぬほどうれしい。久々に「心」という器官を感じられた。何で稼いだかというと、本の販売だ。
僕は今日、文学フリマという本の即売会のイベントに出店したのだ。販売した本のタイトルは「社畜の独り言」お値段100円ぽっきり。そこで10時~17時の間になんと13部も売れた。本日の参加者は約2175人だったそうなので、0.4パーセントの人に買ってもらった計算である。これは明らかに計算の仕方を間違えた。
とにもかくも、僕の自己満足に13人もの方がお金を出してくれたのだ。これは感動でしかない、感謝しかない。というわけで、家に帰るなり備忘録も兼ねて感謝のお礼をかくことにした。届こうが届かまいが関係ない。文章は書きたいものを書いたもん勝ちである。それでは記憶の限り順番に行く。途中前後、抜けているお客様は本当に申し訳ない。
・最初に買ってくれたお兄さん
ありがとうございます。そしておめでとうございます。あなたが人生初の読者様でございます。開始早々、あなたが本を読んで買ってくれたことで、救われた気持ちでした。本を手に取った瞬間に僕も立ち上がってガン見してしまって、半ばプレッシャーで買わせてしまった気もするが、とにかくおめでとうございます。
「初」は何よりの特権。あなたの無言と無表情からの「買います」のファイナルアンサーは、一生ものの感動でした。因みにあなたに頂いた100円玉は避けていて、記念に額縁に飾ろうとしています。今日のお立ち台は間違いなくあなたです。「放送席~放送席~」とヒーローインタビューに行きたいぐらいです。とにかく、本当にありがとうございます。

・鼻で笑って「面白い」とボソッと言って買ってくれたおばちゃん
本望です。Mじゃないけど最高のご褒美です。ありがとうございます。これも本当に嬉しかった。フラっと立ち止まってくれて、宣材の「社畜」と「ビジネスポエム」で一笑い。中身をペラペラめくって二笑い。静かにニヤニヤしながら「一つ貰います」の三笑い。最高のオチでした。企画として「社畜」を押し出したのも、「こんな情けない黒歴史の詩を晒すやつもいるんだぜ!!笑ってくれよ!!」っていう意図があったので、まさに思惑どおり。
そんな僕の願いを最高の形で体現してくれたおばちゃ…お姉さま。
これから僕が書く目的と意義がハッキリしました。これを最高のご褒美と言わずして何になるか。本当にありがとうございます。

・「社畜で暗い詩ですみません……」って言ったら「それは仕方ないよ(笑)仕事大変だよね……」って返して笑ってくれた、POLOのシャツを着たおっちゃん。
これは初めての読者の方との交流というところで印象にすごく残った。
おばちゃんに鼻で笑われたおかげで少し自信が付いた僕。お陰で人懐こい笑顔で「何これ?」って立ち寄ってくれたあなたへアタックチャンス出来ました。そしてタイトルの会話からのお買い上げ。 100点満点の流れでした。
立ち読みの時も「へぇ~」って言いながらずっとニコニコ読んでくれたのも超ポイント高い。更に加点して150点。これ以上の喜びってない。あなたは最高の読者、そしてお客様でございました。
多分ご年齢的に僕の親ぐらいお年の方。あなたのような品の良くて、人の好い大人になりたいものです。ダンディーで恰好良かったです。ありがとうございます。
PSとりあえず形からでPOLOのシャツ買います。

・挨拶しに来てくれた大学時代の文芸部の後輩君たち。
大学時代の文芸部の後輩たち。ニコニコ挨拶をして本を買ってくれた。

可愛いに決まってるじゃないか!!

まとめてしまって申し訳ないけど、そら嬉しいに決まってる!!
特にブース出展もしているYくん。君の存在は大きいよ……!!「文フリ知り合いなんかおらんやろな……」って思ってたら、Twitterで君も出店するって書いてあるじゃないか!!即サーチ&フォローだよ!!
こうして同じ文学フリマという場所で2、3年ぶりに後輩達と再会することができた。彼は今回2回目の参加で、挿絵まで入った本格的なラノベを出していた。同郷の子が自分の好きなことで頑張っているって本当に勇気になるって実感した。君を先輩として、僕も文章を書くこと頑張ってみようと思う。夢に勇気をくれて本当にありがとう。文芸部の先輩として、ぜひお酒でも奢らしてくれ。

・隣の席でガンガン人と交流してガンガン本を売っていたおっちゃん
多分あなたが今日500以上あるサークルの中で一番の売り手でした。数あるサークルの中でもあなたの引き止めが1番力強く、そこからの接客トークも1番面白かった。元家電販売員として、尊敬の念を抱いた。

そのおっちゃんは数学のパズル本という中々ニッチな本を売っていたのだが、だからこそ、おっちゃんの手法が際立っていた。

その手法は本を開いて中のパズルを見せるようにし、ちょっと立ち止まったお客さんにそのパズルを解かせる。そうなればもうコッチのもの。それで時間稼ぎしている間にトークで仲良くなり本も買ってもらうというものだ。これだけだと普通だが、その中のトーク力が見事だった。サークル参加者ならどんな本を出してるかの雑談、一般客なら本の原価率などのぶっちゃけトーク。多様な雑学からのトークは側から聴いてても面白いものだった。後で知ったが、さすがは京大出身で数学塾も経営されているお方。強すぎる……。

それをちょっと真似た後半は、前半3、4冊だった売り上げが、後半だけで倍近い10冊近くを買ってもらうことが出来た。これが京大メソッドの御力……。僕も27歳にして入塾を検討したい。

何にせよ、初めてのサークル参加であなたのような方の隣になり、あまつさえ本まで買っていただいたのは幸運でしかない。頂いた数学のパズルで少しは頭を良くして次に挑みたいと思います。本を売ることと関わることの工夫と楽しさを教えてくれ、本当にありがとうございます。

・「企画が面白い」って言ってくれて、ご自身のご職業のお名刺まで頂いたお兄さん。
ヒェェ。プロの方からの評価ってビビる。お世辞でもこちらは大混乱です。
立ち読みして本を買ってくれてからのご立派なお名刺の登場で、とにかく驚いた。対する僕の名刺はカッターで切り抜いた大きさバラバラの自前の名刺……。本当に申し訳なく恐れ多い……。すみませんでした……。
しかし「企画が面白い」って言葉は実に嬉しい誉め言葉でした。何よりそれを言ってくれたのが「書くこと」をお仕事にされているお方なのです。
本は「誰が」書くかが1番重要と聞きますが、僕を褒めるのも「プロ」が1番ってもんでしょう。しかも褒めるポイントが根本のアイデアの部分。
あなたのお世辞が、イベント初参加の自分をどれだけ調子に乗らせたことか。おかげ様で疲れ果てているはずなのに、今この文章をウキウキで書いています。
「勘違い」という最高の幸せ、本当にありがとうございます。ちなみに僕の1番好きな諺は「噓から出た実」です。どうぞお見知り置きを。

勢いだけでここまで書いたが、そろそろ思い出すのが限界に近い。
全然13人に足りねぇじゃん!!って話なのだが、許してほしい。社畜のアピールでブースに置いていたモンスターエナジーを2本飲み干しても、初イベント参加の今日は疲労困憊だった。その状態でもすぐに思い出せるのが、上記のお客様たちなのである。

もちろん、買ってくれなくても印象に残っているお客様も一杯いるので、それも書いていきたい。「社畜のエピソードは共感もできるから辛い……」って落ち込ませたお姉さんには、先に謝っておきたい。気分を害してしまい、本当すみませんでした……。

とにかく、今日という日は1300円で人生の大きな感動に出会えた。この感動に関わっていただいた皆様、本当に、ありがとうございました。
多分上に書いたお客様たちがこの記事を読んだら、自分との感情のギャップに冷や汗ものだろう。妄想もここに極まれりである。しかしそれだけ今日の感動は自分にとって大きかったのだ。初めてのイベントで浮かれたオッサンの戯言として許して頂ければ幸いである。 それでは日付も超えてしまったのでこの辺で。 ありがとうございました